日本の人口減少に外国人労働者の受け入れ政策も変わってきています。外国人の在留資格については、2019年4月からスタートした特定技能を加えて29種類となります。日本の大学卒業者は日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務を含む幅広い業務に従事することも可能となりました。

日本の総人口

2021年11月22日、総務省統計局の(2021年6月平成27年国勢調査を基準とする推計値、 2021年11月概算値)が公表されました。

【2021年11月1日現在(概算値)】
 
<総人口> 1億2507万人で、前年同月に比べ減少 ▲60万人

【2021年6月1日現在(平成27年国勢調査を基準とする推計値)】

<総人口> 1億2528万5千人で、前年同月に比べ減少▲57万3千人

・15歳未満人口1486万4千人で、前年同月に比べ減少▲22万5千人

・15~64歳人口7409万6千人で、前年同月に比べ減少▲57万4千人

・65歳以上人口3632万5千人で、前年同月に比べ増加22万6千人
<日本人人口> 1億2280万3千人で、前年同月に比べ減少▲56万6千人

総務省統計局ホームページより

外国人労働者の受け入れ政策

在留資格制度

日本では、いわゆる移民受け入れ制度(入国時点で永住許可を付与するもの)は採用していません。

また、外国人労働者が日本に入国、在留し、就労するためには、「入管法」上の在留資格が必要とされています。

在留資格については、2019年4月からスタートした特定技能を加えて29種類となり、就労の可否などに応じて次のように分類ができます。

在留資格の種類

無制限で就労可能資格(単純労働も可)

[身分・地位に基づく資格]
永住者
日本人の配偶者等
永住者の配偶者等
定住者
特別永住者

一定範囲で就労可能資格

外交
公用
教授
芸術
宗教
報道
高度専門職
経営・管理
法律・会計業務
医療
研究
教育
技術・人文知識・国際業務
企業内転勤
介護
興行
技能
技能実習
特定技能
特定活動の一部

原則として就労できない資格

文化活動
短期滞在
留学
研修
家族滞在
特定活動の一部

在留資格に関する方針と政策

在留資格の種類については、1999年8月13日に閣議決定された第9次雇用対策基本計画により、「専門的、技術的分野の外国人労働者の受入れをより積極的に推進する。」、「いわゆる単純労働者の受入れについては、十分慎重に対応することが不可欠である。」との方針が採られています。

他方で、人手不足、人口減少に対応するため、外国人労働者の受け入れを拡大する政策を採ってきています。

(1)日系人の受け入れ、外国人研修制度

1989年の入管法改正では、10種類の在留資格を新たに加えるとともに、ブラジル、ペルーなどの日系人のように、外国籍でも日本人の子または孫であれば「日本人の配偶者等」または「定住者」として無制限で就労可能としたり、「研修」の在留資格のもと開発途上国への技術移転を趣旨とする外国人研修制度が実施されています。

(2)高度人材ポイント制・「高度専門職」の創設

2012年5月、経済成長等への貢献が期待される高度な能力を持つ外国人について、出入国管理上の優遇措置を実施して、その受入れを促進するため、「高度人材ポイント制」を導入し(在留資格「特定活動」)、2014年の入管法改正により、2015年4月から高度人材に特化した在留資格「高度専門職」を新たに加えています。

(3)「介護」の創設

2016年の入管法改正では、「介護」の在留資格(当初は、介護の専門学校の卒業生など、「留学」の在留資格からの資格変更者が主たる対象として想定されていました。)が創設されています(施行は2017年9月1日)。

(4)「特定技能」の創設

2018年12月の入管法改正では、人手不足分野での即戦力となる外国人を受け入れるための「特定技能」(1号・2号)の在留資格を創設し、単純労働者の受入れを認めました(施行は2019年4月1日)。

初年度の平成31年度に特定技能1号の在留資格で最大4万7550人、5年間の累計で34万5150人の受け入れを想定しており、今後も外国人労働者の増加が見込まれます。

ただ、「特定技能」による外国人の受け入れは、資格取得のための試験が実施できていない分野があるなどの理由により大幅に遅れています。